マテーラから南へ車で1時間ほど行ったところにあるクラーコという町は、地滑りによる立ち退きが1963年に始まり、1980年の地震以降住人がいなくなり、現在は町全体が廃墟となっています。
長らく放置されたままだったようですが、2011年からガイド付きのツアーが行われるようになったそうです。
そして、今年から(?)日本語のガイドツアーも始まったというイタリアのレプッブリカ新聞の記事をたまたま見つけ、とうとう私も行って来ました!
思い起こせばクラーコを知ったのは初めてマテーラに行った時だったでしょうか。しばしば映画のロケ地になり、メル ギブソンの映画「パッション」もそこで撮影されたというゴーストタウンがマテーラの近くにあるらしいと。
2009年5月、たまたま近くを車で通りかかって、遠くからクラーコを眺め ↓、怖いような印象を持ったこともよく覚えてます。
そんな思い出に、廃墟だのゴーストタウンだのというイメージを重ねてクラーコに到着してみたら……、気温は35℃くらいで暑っつくって、天気もカンカン照りで、マテーラからの道中、バジリカータ州でこの辺りが一番暑いという場所も通り、持参したおどろおどろしい雰囲気はいつの間にか強い日差しで全部蒸発(?)してしまってました。
お天気や季節は、訪れる場所の姿を変えてしまいますね〜。2009年にクラーコを眺めた時は、曇天だったんです。
日本語のガイドツアーについて
クラーコの見学の予約はこちらから(日本語です^^/)。
私はマテーラからクラーコまで往復の送迎もお願いしました。75ユーロでした。私は1人で行ったのですが、人数によって、送迎の値段は変わるかもしれません。
この日の送迎をしてくれたのは、上記レプッブリカ新聞の記事の下部右にあるVIDEOの冒頭でお話をされている、ニコーラさんでした。
マテーラからクラーコまでは1時間くらいかかり、ツアーが約2時間なので、半日の遠足という感じでしょうか。
クラーコに到着すると、日本人の優しいガイドの橋本さんがにこやかに迎えてくれます^^
ツアーへ出発
ツアーはヘルメット着用で行われます。ヘルメットをかぶってまず歩き始めるのは当時お店が並んでいた大通りです。
人々は、家に物を置いたまま退去したので、盗難の被害が大きかったそうです。そのため扉が開かないよう、ブロックで塞がれているところもありました。 ↓
こちらは店の内部です ↓
こちらは最近塞いだような感じです ↓
クラーコは、映画館もあり、文化的で栄えた村だったそうです。長い大通りと、そこに沿って並ぶお店の跡から、往時の賑やかな姿が偲ばれます。
昔から自然に発生する地滑りはあったのですが、近年の上下水道のインフラ工事がずさんで、浸み出した水で地盤が緩んだことも地滑りの原因となったそうです。
上の写真にも写っていますが、むき出しの錆びたパイプがこの通りの端に据えられていました。
さて、その大通りを登って行くと、視界が大きく開けます。地滑りで建物がほとんどなくなってしまった場所です。写真の、草の生えた斜面にはかつて建物が立ち並んでいたそうです。がれきもたくさん残っています。
「エボリ」という映画の、司祭長が子どもたちに石を投げつけられるシーンがここで撮影されたと思います。
地滑りで建物がなくなってしまった開けた場所の突き当たりにある廃墟は、クラーコに最後まで住まわれた方の家だそうです。↓
「地中海を巡る町と住まいの旅」という1992年の本の中に、著者がクラーコに行かれた時の話が出ています。
<…>町が捨てられてからかなり経つようだ。家の中に何もない。そこでギョッとして立ちすくんだのは、一人の老人がガラスの割れたドアから顔を突き出すようにして、シェービングクリームを使って髭を剃っていたのを見たのだ。挨拶しても返事がない。<…>
その老人は、この家の住人の方だったかも??と思ってしまいました。
パルコ・ムゼアーレ・シェノグラーフィコ・ディ・クラーコ
そこから左に曲がって、傾斜のきつくなった坂を登って、旧市街に入って行きます。
旧市街には、パルコ・ムゼアーレ・シェノグラーフィコ・ディ・クラーコの看板がかかった入り口があり、鍵を開けて入ります。
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