「ラチェルトーザのオリーブ園訪問 その1」の続きです。
ぶどう畑
ラチェルトーザさんのオリーブ畑には、端の方にぶどう畑もあります。
大きな畑に思えますが、ここで栽培されたぶどうは、家族で消費するワインを作るためだけに使われるそうです。ぜいたくですね〜。うらやますぃ〜〜
ワイン用のぶどうというと、地面から1メートルくらいの高さで一列に栽培されているのをイメージしてしまいますが、こちらのぶどう畑は2.5-3mくらいの高さのぶどう棚でした。
1つの房が大きくて、粒が小さいです。見事なぶどうがたくさんなっていました。
葉が虫に食われている様子もなく、元気で健康そのものといったぶどうの木でした。水もいらないし、栽培は簡単だという話でした。
わが家にもぶどうが1本あるのですが、梅雨時期は虫に葉が食われてボロボロになるので、こんな美しいぶどうの木を見ると、うちでぶどうを栽培するのはやめようかなという気になります。
↑ 写真の、空と陸との境目の右側4分の1位のところに、王冠のようなものが見えますが、これはウッジャーノ城という遺跡で、今は立ち入り禁止になっています。フェッランディーナから4kmほどの場所にあり、昔のフェッランディーナとも呼ばれています。
カランキ
ラチェルトーザさんのオリーブ畑に行くには、マテーラからフェッランディーナの市街地を越えて、もう少しバジリカータ州の内陸部に進んでいきます。
フェッランディーナからは、カーブの続く舗装された山道で、私たちを除いて、人っ子一人、車1台通りません。緑と静けさの中のドライブはとても気持ちが良かったです。
マテーラでの1週間の滞在中、何ヶ所か車でも出かけましたが、この地域が一番きれいでした。
フェッランディーナの町を過ぎると、カランキ(=バッドランド(wikipediaに移動します))の景色 ↓ が現れ始めました。
カーブを曲がると前方に人と馬の姿が見えて、車はスピードを落として停まりました。
羊飼い(牧者)が馬を連れて、牛の放牧をしているところでした。
バジリカータ州のモンタルバーノ イオーニコ出身の方でした。
イタリア人の羊飼いに会うのはとても珍しいと、ラチェルトーザさんも驚いていました。
今は、羊飼いの仕事をするイタリア人はとても少なくなってしまい、インド人、アルバニア人、ポーランド人等外国人頼みになっているそうです。
一番上の写真が放牧の様子です。画面中程の車の轍が残る所を牛が歩いています。
これらの牛はポドリカという種で、1年の間に乳を絞れるのはわずかな期間で、黄色っぽい栄養価の高い乳を出します。それから作られるチーズはおいしくて、品質が高く、お値段も高いです。
何年も前にマテーラでポドリカのカチョカヴァッロ(チーズの種類)を初めて食べた時のことです。
昼時になると、私のモッツァレッラチーズをもらいにやって来るのらねこがいて、カチョカヴァッロの表面の固いところを捨てるのももったいないので、モッツァレッラと一緒にやってみました。
すると、いつも食べてるモッツァレッラには目もくれず、ポドリカのチーズの固いところを、ガシガシ噛みながら食べて、満足してどこかに行ってしまいました(ねこはタンパク質(タウリン)の多い食品がわかると読んだことがあります。。。)。
↓ ポドリカ牛(スティリアーノの農家で、夕方牛舎に帰って来るところ)
ラチェルトーザさんのオリーブ畑からの帰り道、今度は、道路を歩くポドリカ牛の群れに会いました。
皆、車の方を振り返るのですが、別に怖がる様子もありませんでした。
痩せていて、立派な角がある、彫刻のようなきれいな牛です。
自然の中で過ごせたとてもいい1日でした。